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オフィス工事でよく聞く「弱電」と「強電」って?|違いと切り分けポイントを解説

オフィス工事でよく聞く「弱電」と「強電」とは?違いと切り分け方を解説
オフィスの新設・移転・改装工事では、「弱電工事」「強電工事」という言葉をよく耳にします。
どちらも電気に関係する工事ですが、主な役割は異なります。一般的には、照明やコンセントなどへ電力を供給する工事が「強電」、LANや電話、防犯カメラなどの通信・信号を扱う工事が「弱電」と呼ばれます。
この違いを整理しないまま工事を進めると、「LAN配線が見積もりに入っていなかった」「デスクの位置とコンセント・LANの位置が合わない」といったトラブルにつながります。
この記事では、オフィス工事における弱電と強電の違い、代表的な設備、見積もりや発注時の切り分け方をわかりやすく解説します。
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弱電と強電の違い
弱電と強電は、法律上の正式な工事区分として一律に定義されている言葉ではなく、建築・設備工事の現場で使われる実務上の呼び方です。
一般的には、次のように区別されます。
- 強電:照明やコンセント、空調機器などを動かすための電力を供給する設備
- 弱電:LAN、電話、防犯カメラなど、情報や信号を伝えるための設備
単純に電圧の数字だけで判断するのではなく、「電力を供給する設備か」「情報や信号を伝える設備か」という役割で考えると分かりやすくなります。
強電とは?照明やコンセントへ電力を供給する設備
強電とは、建物やオフィス内の機器へ電力を供給するための設備を指します。
オフィスでは、主に次のような設備が該当します。
- 照明器具
- 照明スイッチ
- コンセント
- OAフロア内の電源配線
- 分電盤
- 空調機器の電源
- 複合機やサーバーラック用の専用電源
- 非常用電源や誘導灯
オフィスで一般的に使用される100Vや200Vの電源工事も、実務上は強電工事として扱われます。
なお、100Vや200Vは電気設備に関する法令上の区分では「低圧」に該当します。そのため、強電だから必ず高圧・高電圧というわけではありません。
強電工事には感電や火災のリスクがあるため、工事内容に応じて電気工事士などの資格を持つ施工者が対応します。
弱電とは?通信や情報伝達を行う設備
弱電とは、主に通信や情報伝達、機器の制御に使用される設備を指します。
オフィスでは、次のような設備が代表的です。
- LAN配線
- 電話配線
- Wi-Fiアクセスポイント
- インターホン
- 防犯カメラ
- 入退室管理システム
- テレビ共聴設備
- 音響設備
- 会議室の映像・音声設備
- 各種センサーや制御信号の配線
弱電設備では、配線するだけでなく、通信品質や機器同士の接続、ネットワーク構成まで考慮する必要があります。
特にLAN配線では、ケーブルの規格、配線距離、接続先、ラック内の構成、通信機器の設定などを事前に整理しておくことが重要です。
火災報知設備や空調設備はどちらに分類される?
設備によっては、弱電と強電の両方が関係するものがあります。
火災報知設備
自動火災報知設備は、感知器から信号を送るという意味では弱電設備に近いものです。ただし、消防法に基づく設備であり、工事には消防設備士などの資格や、所轄消防署との調整が必要になる場合があります。
そのため、通常のLAN配線や電話配線と同じ扱いにはせず、消防設備工事として別に区分するのが一般的です。
空調設備
空調設備は、室外機や室内機へ電力を供給する部分は強電、リモコンや制御信号の配線は弱電に近い役割を持ちます。
ただし、実際の工事では空調設備業者が電源工事業者と連携して施工するケースが多いため、見積もり段階で担当範囲を確認する必要があります。
弱電と強電の比較表
| 項目 | 弱電 | 強電 |
|---|---|---|
| 主な役割 | 情報・音声・映像・制御信号の伝送 | 機器を動かすための電力供給 |
| 代表的な設備 | LAN、電話、防犯カメラ、入退室管理、インターホン | 照明、コンセント、分電盤、空調電源、専用電源 |
| 計画時のポイント | 通信規格、接続先、配線距離、ノイズ、将来の増設 | 必要容量、回路数、負荷、コンセント位置、安全性 |
| 主な施工者 | 電気通信工事業者、ネットワーク工事業者など | 電気工事業者、電気工事士など |
| オフィス工事での例 | デスクまでのLAN配線、電話線、Wi-Fi設置 | デスクまでの電源配線、照明増設、分電盤改修 |
弱電・強電を切り分ける4つのポイント
1.設備の目的で分ける
まずは、その設備が何のために使われるのかを確認します。
- 機器を動かすために電力を供給する:強電
- 情報や信号を伝える:弱電
例えば、パソコンを動かすコンセントは強電、パソコンをネットワークへ接続するLAN配線は弱電です。
2.接続する機器で分ける
接続先の機器を一覧化すると、必要な工事を整理しやすくなります。
- 強電:パソコンの電源、複合機、電子レンジ、冷蔵庫、照明、空調
- 弱電:パソコンのLAN、電話、防犯カメラ、Wi-Fi、入退室管理機器
同じ機器でも、電源側と通信側で工事区分が分かれることがあります。防犯カメラやWi-Fiアクセスポイントなどは、通信配線に加えて電源が必要になるため注意が必要です。
3.見積書の工事項目で分ける
見積書では、少なくとも次の項目を分けて記載してもらうと確認しやすくなります。
- 電源・コンセント工事
- 照明工事
- 分電盤・回路工事
- LAN配線工事
- 電話配線工事
- 防犯カメラ・入退室管理工事
- 通信機器の設置・設定
「電気工事一式」とだけ記載されている場合は、LAN配線や通信機器の設定まで含まれているとは限りません。工事範囲を明確に確認しましょう。
4.責任区分と接続点を明確にする
弱電工事と強電工事では、複数の業者が関わることがあります。
そのため、「誰がどこまで施工するのか」だけでなく、次のような接続点まで確認することが重要です。
- デスクまでの電源・LAN配線を誰が施工するか
- サーバーラック内の結線を誰が行うか
- ONU、ルーター、スイッチなどの通信機器を誰が用意するか
- Wi-Fi機器の設置と設定を誰が担当するか
- 電話回線の手配を誰が行うか
- 既存設備の撤去・移設を誰が担当するか
オフィス工事でよくある弱電・強電のトラブル
LAN配線が工事見積もりに入っていなかった
電気工事を依頼したため、LAN配線も含まれていると思っていたものの、実際には別工事だったというケースです。
「電気工事」という言葉だけで判断せず、電源工事とLAN工事の両方が含まれているかを確認する必要があります。
デスクの位置とコンセント・LANの位置が合わない
レイアウト変更が設備業者へ共有されておらず、デスクから離れた位置にコンセントやLAN端子が設置されることがあります。
レイアウト図、電源図、LAN配線図を同じ情報に基づいて更新し、最終確定後に施工へ進むことが重要です。
必要な電源容量が不足していた
複合機、サーバー、電子レンジ、電気ポットなど、消費電力の大きい機器を同じ回路へ接続すると、ブレーカーが落ちる可能性があります。
使用する機器と台数を事前に整理し、必要に応じて専用回路を設けます。
Wi-Fi機器の電源を用意していなかった
天井にWi-Fiアクセスポイントを設置する場合、設置位置まで電源やLAN配線が必要です。
PoE給電を利用する場合でも、対応するネットワーク機器やケーブル規格を確認しておかなければなりません。
電話・インターネット回線の手配が遅れた
内装工事が完了しても、通信回線の開通が間に合わなければ業務を開始できません。
特にオフィス移転では、回線の現地調査や開通工事に時間がかかる場合があります。物件が決まった段階で、早めに通信会社へ確認することが大切です。
見積もり前に整理しておきたい情報
弱電・強電工事の見積もり精度を高めるためには、次の情報を準備しておくとスムーズです。
- 座席数とデスクレイアウト
- パソコンや電話の台数
- 複合機、サーバー、家電製品の設置位置
- 必要なコンセント数
- 有線LANを使用する席数
- Wi-Fiアクセスポイントの設置数と位置
- 会議室のモニター、Web会議機器、音響設備
- 防犯カメラや入退室管理設備の有無
- 既存設備を移設するか、新設するか
- 将来的な増員やレイアウト変更の予定
現在必要な設備だけでなく、将来の増員やレイアウト変更も考慮しておくと、移転後の追加工事を減らせます。
弱電・強電工事に関するよくある質問
電気工事業者へ依頼すればLAN配線も対応してもらえますか?
業者によって対応範囲が異なります。電源・照明工事とLAN配線の両方に対応できる業者もありますが、LAN配線やネットワーク設定は別の専門業者が担当することもあります。
見積もりを依頼するときは、LANケーブルの敷設だけでなく、端末処理、試験、ラック内結線、通信機器の設定まで含まれているか確認しましょう。
LAN配線とWi-Fiだけでオフィスのネットワークは使えますか?
LAN配線やWi-Fiアクセスポイントだけでは、インターネットへ接続できない場合があります。
通信回線、ONU、ルーター、スイッチ、アクセスポイントなどが必要になるため、機器の手配と設定を含めて確認する必要があります。
レイアウトが確定する前に電気工事を発注してもよいですか?
概算見積もりは可能ですが、最終発注はデスクや什器の位置、使用機器、座席数を確定してから行うのが理想です。
レイアウト確定前に施工すると、コンセントやLANの移設が発生し、追加費用や工期延長につながる可能性があります。
まとめ|弱電と強電をまとめて計画することが重要
オフィス工事では、照明やコンセントなどへ電力を供給する設備を「強電」、LANや電話、防犯カメラなどの情報・信号を扱う設備を「弱電」と呼ぶのが一般的です。
ただし、実際のオフィスでは、デスクの電源とLAN、Wi-Fi機器の通信配線と給電など、弱電と強電が密接に関係しています。
そのため、それぞれを別々に考えるのではなく、オフィスレイアウト、使用機器、必要な電源容量、ネットワーク構成をまとめて計画することが重要です。
リブレストでは、オフィスのレイアウト設計から電源・照明・LAN・電話・各種設備工事まで、関係業者を含めた総合的な調整をサポートしています。
オフィス移転や改装に伴う電気・通信設備の整理でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

