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間違えやすい休養室・救護室・リフレッシュスペース 職場の正しい区分と設置基準

この記事では、総務・人事担当者やオフィス管理者、工場・倉庫の安全衛生責任者など、職場環境づくりに関わる方向けに、リフレッシュルーム・救護室・休養室の違いを分かりやすく整理して解説します。
名称が似ているため混同されがちな3つのスペースですが、目的・設置基準・必要な設備には明確な違いがあります。この記事では、それぞれの特徴を整理しながら、法令遵守と従業員が安心して働ける環境づくりに役立つポイントをまとめました。
リフレッシュルーム・救護室・休養室の違い
3つのスペースは、いずれも「働く人の健康を支える空間」ですが、目的や利用者、法令上の扱いは大きく異なります。まずは全体像を整理しましょう。
| スペース | 主な目的 | 利用者 | 設置義務 |
|---|---|---|---|
| リフレッシュルーム | 休憩・気分転換・交流 | 全従業員 | 任意(努力義務) |
| 救護室 | 応急処置・緊急対応 | けが人・急病者 | 業種・規模により義務 |
| 休養室 | 静かな環境での一時休養 | 体調不良者 | 一定規模以上で義務 |
なぜ混同されやすいのか
3つのスペースはいずれも“従業員の健康に関わる”という共通点があります。そのため、名称や役割が曖昧なまま運用されているケースも少なくありません。特に、休憩室と休養室を兼用してしまうなど、法令面で注意が必要な状況も見られます。
誤解を避けるためには、まず「誰が・どんな状況で使う部屋なのか」を明確に分けて考えることが大切です。
3つのスペースの目的と特徴
リフレッシュルーム
自然光や植物、飲食スペースなどを備えた、従業員がリラックスしやすい空間です。コミュニケーション促進にも役立ち、オフィスの雰囲気づくりにも効果があります。
救護室
けが人や急病者に応急処置を行うためのスペースです。医薬品や洗面台などが必要となり、一定の衛生環境を整えておく必要があります。
休養室
体調不良者が静かに横になり、一時的に休める空間です。プライバシーを確保し、静音性を高める工夫が求められます。
労働安全衛生法と設置義務のポイント
休養室・救護室には法令上の基準があり、特に休養室は労働安全衛生規則によって一定規模以上の事業場に設置が義務付けられています。
- 休養室:常時50人以上の労働者、または30人以上の女性労働者がいる場合に設置義務
- 救護室:危険作業がある、または医療機関が近くにない場合など、状況に応じて設置が必要
- リフレッシュルーム:法的義務なし(任意)
法令を満たすだけでなく、従業員が安心して利用できる状態を維持するためには、日常的な管理体制も重要です。
快適に使える空間づくりのコツ
スペースの区分が正しくても、「使われない部屋」になってしまっては意味がありません。
利用者の声を踏まえながら、以下の点を意識すると実用性が大きく向上します。
- 動線をシンプルにし、利用しやすい位置に配置する
- 照明・温度・音環境を整え、過ごしやすさを高める
- 目的に応じて家具を選定し、使い方をイメージしやすくする
- 利用ルールを周知し、誰もが安心して使える環境をつくる
必要な設備とレイアウトの考え方
休養室に必要なもの
- ベッドまたはリクライニングチェア
- カーテン・パーテーションなどの目隠し
- 静音性と落ち着いた照明
- 空気清浄機や温度管理機器
リフレッシュルームにおすすめの設備
- ソファ・テーブル・カウンター席
- 観葉植物・アートなどリラックス要素
- 飲料設備・Wi-Fi・電源コンセント
救護室に備えるべき設備
- 応急処置用の医薬品・消毒液
- ベッド・ストレッチャー・洗面台
- 電話やインターホンなど連絡手段
業種別の注意点(オフィス・工場・倉庫)
- 工場・倉庫:ケガや体調不良が起きやすいため、救護室の整備が重要
- オフィス:ストレス軽減や集中力向上のため、リフレッシュルームが有効
- サービス業:バックヤードの休養室設置でスタッフの体調管理を支援
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