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オフィス移転に必要なものとは?準備から手続きまでを網羅!

オフィスの移転は、企業にとって成長や組織再編の大きな転換点であり、同時に慎重な準備と手続きが求められる重要なプロジェクトです。
特に中小企業では、限られたリソースの中でスムーズな移転を実現するために、やるべきことを明確にし、漏れなく対応することが欠かせません。
実際には、物理的な荷物の移動だけでなく、契約変更や各種届出、社内外への周知、ITインフラの整備といった多岐にわたる業務が発生します。
準備不足や手配の遅れが業務に支障をきたすリスクもあるため、総務・人事部門の担当者には高度な調整力とスケジューリング力が求められます。
この記事では、「オフィス移転に必要なもの」という視点から、計画段階から移転後の対応まで、中小企業の担当者が押さえておきたい準備事項・手続き・チェックポイントを時系列でご紹介いたします。
オフィス移転の準備で「必要なもの」とは?
オフィス移転を成功させるためには、計画段階での入念な準備が不可欠です。
まずは現状を正確に把握し、将来を見据えた移転先選定から始めましょう。
現状把握と移転先選定のポイント
移転計画の第一歩は、現オフィスの課題と新オフィスに求める条件を明確にすることです。
現状分析と課題抽出
- 現在のオフィスの広さ、設備、立地に対する不満点(手狭、老朽化、アクセス不便など)
- 従業員の増減予測、事業拡大の計画
- 部署間の連携、コミュニケーションの現状と理想
移転目的の明確化
- 企業ブランディングの向上
- 生産性向上、働き方改革の推進
- 採用力強化、従業員満足度の向上
- コスト削減(賃料、光熱費など)
移転先の条件設定
- 立地:交通アクセス、周辺環境(飲食店、商業施設)、採用への影響
- 広さ:従業員数、会議室、リフレッシュスペース、収納スペースなど、必要な面積の算出
- 賃料・初期費用:予算設定、敷金・礼金、仲介手数料、保証金など
- 設備:空調、照明、セキュリティ、インターネット回線の種類・容量
物件探しと内見
- 不動産会社への相談、希望条件の提示
- 複数の候補物件の内見、比較検討
- オフィス家具の配置シミュレーション
移転計画書の作成
- 移転目的、スケジュール、予算、担当者、役割分担などを明記
- 経営層への承認を得るための資料として活用
レイアウト設計・家具備品の準備
新しいオフィスでの働き方を具体的にイメージし、最適なレイアウトと必要な家具・備品を選定します。
オフィスレイアウト設計
- コンセプト決定(フリーアドレス、ABW、集中ブースなど)
- ゾーニング(執務スペース、会議室、休憩スペース、受付など)
- 動線計画、採光・通風の考慮
- 専門のオフィスデザイン会社や内装工事業者への依頼も検討
家具・什器の選定と手配
- 既存家具の継続利用・廃棄・売却の判断
- 新規購入するデスク、チェア、キャビネット、会議用テーブル、受付カウンターなど
- OA機器(複合機、プロジェクターなど)の選定・リース契約
- オフィス備品(ホワイトボード、ゴミ箱、観葉植物など)
内装工事・設備工事
- 壁紙、床材、照明、パーテーション設置など
- 電源・LAN配線工事
- セキュリティシステム(入退室管理、監視カメラ)の導入
ITインフラ・電話・ネットワーク環境の見直し
業務の中断を最小限に抑えるため、ITインフラと通信環境の移設・再構築は計画的に進める必要があります。
インターネット回線の手配
- プロバイダ選定、光回線工事の申し込み(移転先のビル設備状況を確認)
- 開通までの期間を考慮し、早めの手配が必須
- 仮設回線やモバイルルーターの検討(移転期間中の業務継続のため)
電話回線・ビジネスフォンの移設・新規導入
- 既存の電話番号の継続利用可否確認、移設手続き
- ビジネスフォンの移設工事、またはクラウドPBXなどの新規導入検討
- FAX回線、フリーダイヤル、代表電話番号の変更手続き
サーバー・PC・周辺機器の移設
- サーバーのデータバックアップ、移設計画
- PC、モニター、プリンターなどの梱包・運搬
- 新オフィスでの再設置、動作確認
- 無線LAN環境の構築
セキュリティ対策の再確認
- 物理的なセキュリティ(入退室管理、監視カメラ)
- ネットワークセキュリティ(ファイアウォール、VPN、ウイルス対策ソフト)
- 情報セキュリティポリシーの見直し
手続き関係で「必要なもの」
オフィス移転は、単なる物理的な移動だけでなく、多くの行政機関や関係者への手続き・連絡が伴います。
漏れなく対応するためのチェックリストを活用しましょう。
官公庁への届出・申請一覧
移転後、速やかに各種届出を行う必要があります。
提出期限が定められているものもあるため、事前に確認し、準備を進めましょう。
法務局
- 本店移転登記申請(管轄内移転、管轄外移転で手続きが異なる)
- 印鑑証明書、登記事項証明書などの取得
税務署
- 異動届出書(法人税、消費税など)
- 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
都道府県税事務所・市区町村役場
- 法人設立・設置届出書、または事業所等変更届
年金事務所
- 健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地変更届
ハローワーク
- 雇用保険事業主事業所各種変更届
労働基準監督署
- 労働保険関係各種変更届
消防署
- 防火管理者変更届、消防計画変更届など(必要な場合)
その他
- 許認可事業の場合、監督官庁への変更届
取引先・関係者への移転通知の準備
社外への連絡は、移転作業と並行して計画的に進める必要があります。
顧客・取引先への通知
- 移転案内状の作成・送付(郵送、メール、ウェブサイトでの告知)
- 移転日、新住所、新電話番号、新FAX番号、業務開始日などを明記
- 移転期間中の業務対応について案内
金融機関・保険会社への通知
- 口座情報、登録住所の変更手続き
- 各種保険(火災保険、賠償責任保険など)の住所変更
郵便局
- 転居届の提出(旧住所宛ての郵便物を新住所へ転送)
Webサイト・名刺・会社案内等の更新
- 新住所、連絡先への変更
- Googleマイビジネスなどのオンライン情報も忘れずに更新
契約変更・更新に関するチェックリスト
移転に伴い、既存の契約の見直しや新規契約が必要になります。
現オフィスの賃貸借契約
- 解約予告期間の確認、解約通知書の提出
- 原状回復工事の範囲、費用負担の確認
- 敷金・保証金の返還手続き
新オフィスの賃貸借契約
- 契約内容の確認(賃料、更新料、保証金、特約事項など)
- 契約書の締結
インフラ契約
- 電気、ガス、水道の使用開始・停止手続き
- インターネット、電話回線の契約変更・新規契約
- 警備会社、清掃会社などのサービス契約の見直し・新規契約
その他
- ウォーターサーバー、レンタルマット、シュレッダーなどのリース契約
- 自動販売機、オフィスコーヒーなどのサービス契約
移転当日から移転後の対応の流れ
移転当日と移転後のスムーズな業務再開のために、きめ細やかな準備とフォローアップが重要です。
引越し業者との連携と当日の注意点
引越し作業は、専門業者との密な連携がカギとなります。
引越し業者の選定と契約
- 複数の業者から見積もりを取得し、サービス内容、費用、実績を比較
- オフィス家具やOA機器の運搬、設置サービスを確認
- 賠償責任保険の加入状況を確認
荷物の梱包とマーキング
- 部署ごと、個人ごとに荷物を仕分け、リスト化
- 新オフィスの配置場所がわかるように明確なマーキングを施す
- 重要書類や貴重品は厳重に管理し、自社で運搬することも検討
移転当日の立ち会いと指示
- 旧オフィスでの搬出、新オフィスでの搬入・配置の立ち会い
- 引越し業者への指示、最終確認
- エレベーター養生、共用部の破損防止策の確認
旧オフィスの原状回復
- 引越し完了後、旧オフィスの原状回復状況を確認
- 貸主または管理会社との最終立ち会い
社内周知・業務再開のための準備
従業員が新しい環境でスムーズに業務を開始できるよう、情報共有と環境整備を徹底します。
社内向け移転スケジュールの共有
- 移転の具体的な日時、引越し作業に関する注意事項
- 移転期間中の業務停止期間、リモートワーク指示など
新オフィスの利用ルール
- 座席表、フロアマップの共有
- 会議室予約システム、複合機の利用方法
- ゴミの分別、清掃ルール、休憩スペースの利用ルール
緊急連絡網の更新
- 新オフィスの電話番号、担当者の連絡先など
業務再開時のトラブル対応
- IT機器の接続不良、電話不通など、移転直後のトラブル対応窓口の設置
- 事前に想定されるトラブルとその対処法を共有
アフターフォローと社内アンケート
移転は完了しても、その後も従業員の働きやすさや業務効率向上に向けたフォローが必要です。
移転後の不具合対応
- IT機器、空調、照明、ネットワークなどの初期不良や不具合への迅速な対応
- 備品不足やレイアウトに関する調整
従業員からのフィードバック収集
- 新オフィスでの働きやすさ、設備、環境に関する社内アンケートを実施
- 改善点の洗い出しと対応
移転効果の検証
- 移転目的が達成されているか(生産性向上、コミュニケーション活性化など)
- コスト削減効果、従業員満足度の変化などを定期的に評価
オフィス移転に必要なものに関するFAQ
Q1.オフィス移転にかかる費用はどのくらいですか?
A1.物件の賃料、敷金・礼金、仲介手数料、内装工事費、引越し費用、新しい家具・OA機器購入費、ITインフラ整備費、各種届出費用など多岐にわたります。企業の規模や移転先の条件によって大きく変動しますが、賃料の半年〜1年分程度が目安とされることが多いです。詳細な見積もりを取り、予算を組むことが重要です。
Q2.いつから準備を始めるべきですか?
A2.一般的に、中小企業の場合でも移転完了の6ヶ月〜1年前から準備を始めるのが理想的です。特に物件探しや内装工事、ITインフラの手配には時間がかかります。大規模な移転であれば1年以上前から計画を立てることもあります。こうした初期段階からの検討を円滑に進めるためには、物件探しだけでなく、その後のレイアウトや工事までを見据えて連携できる体制が整っていることが重要になります。
Q3.移転費用を抑えるにはどうすれば良いですか?
A3.以下の点が挙げられます。
- 既存の家具・什器を最大限活用する
- 内装工事を必要最低限にする
- 引越し業者を複数比較検討し、閑散期を狙う
- 不要な荷物は事前に処分・廃棄する
- 補助金や助成金の活用を検討する
Q4.移転で利用できる補助金や助成金はありますか?
A4.はい、条件によっては利用できる可能性があります。例えば、地域活性化を目的とした地方自治体の補助金や、働き方改革やIT導入を伴う移転であれば国の助成金が適用されるケースがあります。中小企業庁や各自治体のウェブサイトで最新情報を確認するか、専門家に相談することをおすすめします。
Q5.移転先でのセキュリティ対策はどうすれば良いですか?
A5.物理的なセキュリティとして、入退室管理システム、監視カメラの導入、鍵の管理徹底が重要です。情報セキュリティとしては、ネットワークのファイアウォール強化、VPN導入、従業員へのセキュリティ教育を徹底しましょう。移転を機に、情報セキュリティポリシーを見直す良い機会でもあります。
まとめ
オフィス移転は、中小企業にとって大きなプロジェクトであり、多岐にわたる準備と手続きが必要です。
しかし、この記事でご紹介した「必要なもの」を時系列で把握し、計画的に進めることで、スムーズかつ成功裏に移転を完了させることができます。
特に、バックオフィス担当者様は、限られたリソースの中で多くの業務をこなす必要があるため、早めの計画立案、関係者との密な連携、そして専門家の知見を借りることが成功への鍵となります。
移転を単なる場所の移動と捉えるのではなく、企業文化の刷新や生産性向上、従業員満足度向上といった、企業の成長を加速させる絶好の機会と捉え、ぜひ前向きに取り組んでみてください。
物件探しからオフィスづくりまで、一貫してご相談ください
この記事を書いた人
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